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建宅サポート(不動産の転貸)
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 応接室の虫メガネ』
  
        本章は、不動産の転貸にまつわるお問い合わせや、ご相談の参考になればとの趣旨で独自に創作したものであり、
        登場人物や設定内容等は事実ではありません。
    
      さて、今回のお客様
U子さんの登場です。
      いつものように、お客様を応接室にご案内。六法もスタンバイ。 そして「応接室の虫メガネ」が
          そろそろ出番です。  


      民法第612条(賃借権の譲渡及び転貸の制限)
         1 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
           2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解
             除をすることができる

      
        民法第613条(転貸の効果)
         1 賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負う。この場合にお
             いては、賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない。
           2 前項の規定は、賃貸人が賃借人に対してその権利を行使することを妨げない。
          転貸で追い出されたU子

       「私(U子さん)は夫の死亡後、ネイルサロンの教室で生計をたてて1年が過ぎた頃、教室近くのコーヒーショップでK男
       と知り合いました。K男は、その近所に13坪ほどの事務所を借りて、内3坪ほどで金券ショップを経営しています。私は、
       教室の生徒たちの作品発表会があるので会場を探していました。それでK男に相談すると、
K男は残りの10坪のスペ
       ―スが空いているから使ってもかまわないと言ってくれました。」

       「発表会が終わって片付けをしていたら、K男がやって来て、よかったら、このまま賃貸借契約をして貸してあげるよと言
       うのです。私も丁度手頃な物件を探していたところなので、その話に飛びつきました。ただ、転貸借になるのではないか
       と思い、後日のトラブルは大丈夫かと何度も念を押して聞きましたが、
K男の方の貸主は問題ないからと、軽くかわされ
       てしまい、それを信用して契約をしました。」 
 
           ウェブ アニメータ

     ウェブ アニメータ「契約内容を教えて下さい。」

      「はい、その時の賃貸借契約書がこれです。契約期間3年、賃料13万円、礼金26万円、敷金78万円、報酬13万円
       の合計130万円で、その金額を
繁盛不動産会社に行って支払いました。」 

       「今から1年半前のことでした。それから今日に至るまで、私は
K男と大人の関係を続けて来ました。しかし、先週末に、
       あの時の繁盛不動産会社の代表者が教室にやって来て、転貸がばれたから直ぐ出て行って欲しいと言うので、びっく
       りしました。契約時に、K男からは問題ないと言われたと話すと、
繁盛不動産会社の代表者の口から、実はK男の貸主
       は都会機構であると告げられました。 K男は、そのことを私に黙って契約させたということも知りました。 その日から、
       
K男は私に会おうとしません。」 
              
             ウェブ アニメータ

       ウェブ アニメータ「それで、U子さんはどうされたのですか。」

       「はい、私は直接都会機構に行って事情を説明しました。何と、K男は以前にも同等のトラブルを起こして裁判になった
       ことがあったそうです。さらに、K男は13坪を15万円で借りていて、私の借り分が10坪で13万円を払わせていたこと
       もわかりました。
K男は、3坪の金券ショップで充分な売上がありました。そのことを本人から聞きました。」

       「都会機構の担当者が同情してくれて、空き部屋を使っても良いと言ってくれました。そして、その部屋を私が気に入れ
       ば、契約を結んでも良いとのことでした。とにかく、あと1ヶ月は退去を待ってくれるとのことです。」 

             ウェブ アニメータ

       ウェブ アニメータ「そうですか、それで次の部屋は決まりそうですか。」

       「いえ、探しましたが良い物件がないので、都会機構さんの空き部屋で契約しようと考えています。今度の部屋の仮契
       約時に80万円用意しなければなりません。それで、未だK男から敷金78万円を返して貰う約束も出来ておりません。
       私は入居時に内装代として、200万円ほどかけており、現在はほとんど荷物を出してきれいな状態にしております。多
       少は敷金から差し引かれても仕方ないとは思いますが、早く敷金を返して欲しいのに話し合いに応じてくれません。私
       の月の利益が50万円くらいになります。今回のことで、精神的にも苦痛を受け、契約期間も未だ残っております。それ
       に引越し費用もかかります。新しい部屋の内装もしなければなりません。私はK男に損害賠償請求をしたいのですが、
       いかがでしょうか。」

             ウェブ アニメータ 

       ウェブ アニメータ「先ず、今後のために申し上げますが、①原則は無断転貸禁止(契約書に「転貸借禁止」の記載があれば、民法の
       契約不履行に当たり、契約の解除ならびに転借人に目的物の引き渡し請求ができます)、②予め賃貸借契約に無断
       転貸可能を謳ってあれば、無断転貸可能、ということを覚えておいて下さい。 ただし、土地賃借権(建物所有を目的と
       する土地賃借権)の譲渡・転貸については、
借地借家法19条の特則によります。」

       ウェブ アニメータ「次に、契約期間短縮は損害賠償の対象になります。新物件を借りる諸費用や休業補償や内装費等あります。
       よって、敷金の返還は当然のことで、それ以外に相当額の損害賠償を請求することは可能です。」 

       「私は裁判を起こしたいと思います。
K男が、私のような女性をカモにしないためにも、是非そうしたいと思います。」 

       ウェブ アニメータ「提訴となれば、弁護士への依頼になりますので、双方の住民票、物件の登記簿謄本、見取図、契約書、できれば
       U子さんの借りていた物件内とK男の金券ショップの写真も撮り、弁護士との初回面談の際に持参された方が、スム
       ーズに行きます。」
                         
                             転貸(また貸し)とは酷すぎる!! 許せない!!    損害賠償請求お願い!!   <イラスト S-kuniko作>
                         

                               虫メガネポイントもご覧下さい
         
 
      虫メガネポイント
        

     借地借家法19条(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)
       
       第19条 借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が
           賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者が
           その賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾
           に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、
           賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめる
           ことができる。
          【借地非訟事件手続規則】第22条
          2 裁判所は、前項の裁判をするには、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸
           を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。
          3 第1項の申立てがあった場合において、裁判所が定める期間内に借地権設定者が自ら建物の譲渡及び賃借
           権の譲渡又は転貸を受ける旨の申立てをしたときは、裁判所は、同項の規定にかかわらず、相当の対価及び転
           貸の条件を定めて、これを命ずることができる。この裁判においては、当事者双方に対し、その義務を同時に履
           行すべきことを命ずることができる。
          【借地非訟事件手続規則】第6条
          4 前項の申立ては、第1項の申立てが取り下げられたとき、又は不適法として却下されたときは、その効力を失う。
          5 第3項の裁判があった後は、第1項又は第3項の申立ては、当事者の合意がある場合でなければ取り下げる
           ことができない。
          【借地非訟事件手続規則】第13条
          6 裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、第1項又は第3項の裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴
           かなければならない。
          7 前各項の規定は、転借地権が設定されている場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用
           する。ただし、借地権設定者が第3項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。
        ウェブ アニメータ転貸借は、所有者から目的物を借りた賃借人が、それを第三者(転借人)に使用収益させることをいいます。
          いわゆる「また貸し」であり、賃借権の譲渡は転貸借とはいいません。

        ウェブ アニメータ
「人というものは自分を基準にして、他人の心や力、または考えを推し量るものだ」という諺のごとく、人柄の良い
          
U子さんが、
K男を素直に信じてしまいました。K男は秋の扇の様に、転貸がばれたら捨てるつもりでいたので
          しょうか。 それとも、心から愛があったのでしょうか。
          「人は順境の時にかえって悪事が多く、逆境の時にかえって善事が多い」と、ベーコンは言っています。順境に
          浮かれていては落とし穴に陥ることがあり、また逆境に悲観ばかりしている必要もないということ。人生のおもし
          ろさは、そんなところにあるのではないの
でしょうか。 商売繁盛で落花流水の情。相思相愛の相手が現れるこ
          とを祈りつつ。
         

                                                              2010.08.17
                                  


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