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   内縁者の財産権等  
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 応接室の虫メガネ
  
     本章は、内縁者の財産権等のお問い合わせや、ご相談の参考になればとの趣旨で独自に創作したものであり、
     登場人物や設定内容等は事実ではありません。
   
   
さて、今回のお客様S男さんの登場です。
   いつものように、お客様を応接室にご案内。六法もスタンバイ。そして「応接室の虫メガネ

   そろそろ出番です。
     

     
共有財産に非ず、返せと内縁者の子に凄む、 
     「彼女とは入籍していませんが、妻が死亡後、10年間生活を共にしていました。実は、妻の生存中から二人の
     関係がありました。私は小さな町工場の経営者で、彼女は従業員です。ところが、その彼女が1ヶ月ほど前に死亡
     したのです。 それで、同居していたマンション(20年前に
S男が購入し、S男名義)を売り払い、現在、私は新たに
     部屋を借りて一人で暮らしています。彼女には娘
C子がいます。 彼女と同居していた時に購入した高級美術品が
     5点と家具備品がたくさんあったので、私は
C子に返して欲しいと言ったら、C子は返すと約束しました。」

                
     
S男さん、マンションを売り払った時に、どうして回収しなかったのですか。」
     
C子が、母親が死んだ直後に家財一式を自分のアパートに持って行ったのです。」

     
S男さんに確認もしないままですか。」
     
「そうなんですよ。彼女もケチな女でね・・。C子もそれに似て、金目の物は直ぐわかるんですよ・・。」 
                
     
S男さん、それでC子は、高級美術品他を返してくれたのですか。」 
     
「はい、その後C子から何の連絡もなく、高級美術品他を返してくれないので、私からC子連絡したら、ふてぶ
     てしくこんなことを言ったのです・・。」


    「母は内縁関係にあったが、内縁期間中は二人で協力して取得した財産だから共有財産で
    あり、 亡母に固有の財産として共有持分があるから返さない・・!

     
「彼女は普段から身体が弱く病気がちでした。会社も休みがちだったので心配して声をかけたのが、そもそもの
     付き合うきっかけだったのです。 結局、私は妻が生存中から彼女の面倒を見てあげることになったわけです。
C子
     
共有財産だと言ってますが、財産形成に寄与しなかった者は保護されないと聞きました。それで、C子にそ;れを
     強く言ったのですが、聞く耳を持ちません。あげくに
C子の付き合ってる男が私を脅しに来ました。いやぁー、C子
     
は全く困りましたよ。」

                
     
S男さん、内縁関係にある配偶者は相続権がないとするのが通説ですが、内縁の配偶者にも法律上認められ
     た権利が定められている場合があります。1つ目は、亡くなった人に相続人が存在しない場合、家庭裁判所が生計
     を同じくしていた者に、相続財産を与えることができるという、
「特別縁故者に対する相続財産分与」です。2つ目は、
     
「居住用の借家権」について、他に相続人がいない場合は内縁の妻に借家権の承継が認められています。法律の
     規定上は、いずれも相続人がいる場合には、内縁の配偶者は保護されません。」 

                       
     
「ところで、共有財産についてですが、内縁の夫婦がその共有する不動産を居住又は共同事業のために共同
     で使用してきたときは、特段の事情のない限り、両者の間において、その一方が死亡した後は、他方が右不動産
     を単独で使用する旨の合意が成立していたものと推認されるという判例(最判: 平成10年2月26日)があります
     が、その件は共有財産であったことが認定されています。 本件不動産は
S男さんの単独所有で、彼女(C子
     母)と
の共有財産ではありません。」
                
     
「じぁー、高級美術品や家具備品につき、私はどう対処すればよいのでしょうか。」
      判例は、事案ごとに夫婦が共同財産の形成に寄与した内容を検討し、その具体的寄与度を評価すべきとす
     る見解を採用し、寄与度が不明であれば平等としています。 寄与度への評価は、実績方式(直接金銭に評価し
     て分与する)と、割合方式(共同財産に対する寄与度を割合的に認定する)がありますが、ほとんどの裁判例は割
     合方式です。ただし、共同財産・寄与度の認定が困難な場合などは実額方式がとらているようです。

                       
     
「本件は、S男さんの主張するように、彼女C子の亡母)が健康上の理由等で財産形成に寄与しなかった者
     で保護されないというところに問題があるようです。そこで、
S男さんは高級美術品他購入の支払いを証明するも
     の(領収書・通帳など)を揃え、これまでの経緯を書いてきて下さい。
 C子に連絡をとるのはそれからでも良いで
     しょう。」 

     
「そんなこと言ってたら高級美術品を売られてしまいますよ! 何としても直ぐ取り返したいんですよ!

     「無茶なことを言うものではありません。
S男さんにも反省すべきことはあるでしょう。」
     「わかりました。支払いを証明するものを探し、経緯書にとりかかってみます。全くなんてことだ・・トホホッ。」 

               
    相続財産管理人の選任 特別縁故者の財産分与

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借地借家法第36条(居住用建物の賃貸借の承継)
        
居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は縁組の届出を
        していないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同
        居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。 ただし、相続人なしに死亡したことを知った後一月以内に
        建物の賃貸人に反対の意思を表示したときは、この限りでない。
        2 前項本文の場合においては、建物の賃貸借関係に基づき生じた債権又は債務は、同項の既定により建
        物の賃借人の権利義務を承継した者に帰属する。

           
     
人間は物質的な満足だけを目的として生きているのではなく、精神的に充実した満足感が得られてこそ生きて
       いけるのです。
     
S男さんは、奥様の死亡前より彼女と付き合っていました。何故、彼女から離れなかったのでしょう。内縁関係
       にあった彼女に心のよりどころが沢山あったのではないでしょうか。
     彼女がS男さん
との思い出を大切にして死んでいったとしたなら、無理に取り返すこともいかがなものでしょう
       か。S男
さんには、まだまだこれからの人生があります。全部取り返すというより、いくつか返してもらい、C子
       に10年の思い出を差し上げるぐらいの男の度量を期待したいものです。もちろん、訴訟で争うのは自由です。
     
本件の内縁者を応援している趣旨ではありません。内縁関係には様々なケースがありますので、誤解のない
       ようお願い致します。
    
                                                   2010.07.18  2013.06.04

                                     

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