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【現在の公害 化学物質過敏症につい

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   新築、リフアォームの家で生活しているうち、化学物質を吸い込むことが原因。健康への悪い影響を
   シックハウス(室内空気汚染)症候群という。


 <シックハウス症候群化学物質過敏症の差異概略>
  シックハウス症候群  化学物質過敏症 
  室内環境条件
  (空気汚染)
  大部分の人に症状がでる   特定の人に症状がでる
   原因物質   
 塗料や接着剤

 ①樹脂の原料に使用
  
・ホルムアルデヒド
 ②溶剤を使用
   揮発性有機化合物(VOC)
  →大気汚染・光化学スモッグ原因
  
・トルエン
  ・キシレン
  ・酢酸エチル
  ・エチルベンゼン
 など
  きっかけの化学物質だけでなく、次第に多  種の化学物質に過敏となる
   症  状  目や鼻、神経を刺激、頭痛、めまい等  ※後記のとおり
 医療保険適用  傷病名認められている  傷病名認められず自己負担

 VOCの排出源 環境中(大気)に排出されるVOC中、固定発生源(工場、建築現場、家庭など)が
             約9割で、約1割は移動発生源(自動車排気ガス)である。
             
固定発生源中、約半分が塗料・接着剤である。

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  「平成20年度 文京区環境学習リーダー育成講座実践編」にて、大気と環境ヘルスをテーマに掲げ、
 化学物質過敏症等による健康被害の啓発活動を行いました。その際、下記論文を知ることができました。
  他に無い有意義なアンケート結果であり、広く知っていただきたく掲載しました。
 尚、
出所は下記の通りです。
 

出所) 論文「本態性環境非寛容症(化学物質過敏症)有訴者の基本的特徴及び発症原因」
糸山景子、亀屋隆志、浦野紘平


  
★本症の有訴者の中には、社会的、医療的理解が得られず、失職、経済的困難、対人関係で孤立、
   適切な治療の欠如等、苦痛を強いられている者もいる。
  ★被害の低減や治療体制の拡充を進めるには医学的調査研究に加え、被害原因の明確化と有訴者
   の実態把握が必要である。
  ★しかし、
医師の診断の有無などの有訴者の実態に関する報告例は少ない。

          

  ★そこで、
本研究者らは、2003年9月にNPO法人化学物質過敏症支援センターに登録していた有訴者
   488名に同法人からアンケート調査票を郵送する方法で有訴者の特徴や発症原因等の情報を整理す

   
ることを目的とした。回答は278名(回収率57.0%)から得られたものである。
  ★対照者(横浜国立大学の学務部と生協の職員、筆者らの研究室の職員、学生の家族、知人等で本
   症を訴えていない人の中から無造作に有訴者の発症時点の性・年齢構成と近くなる人)を選び、279
   名に調査票を配布した。回答は165名(回答率59.1%)から得られた。

            他に無い、有意義なアンケート結果

(1) 調査項目                                                 
  
   
1 有訴者の性・年齢・被害年数
   2 有訴者が発症前に本症について知っていた知識の程度
   3 アレルギー症状の有無
   4 ライフスタイルの良くないところ、自宅内の禁煙環境、飲酒状況
   5 本症と診断した時の医師による診断の有無
   6 有訴者が考えている発症原因
   7 有訴者が行った改善のための工夫とその改善度

(2) 解析方法                                                 
   
   1 医師による診断の有無別の比較
   2 有訴者全体と対照者との比較
   3 有訴者の存在地域と本症の診断を受けた病院・診療所の所在地域との関係
   4 発症原因と被害年数の関係

(3)研究結果                                                 
   
   1 医師による診断の有無と診断地域の関係(居住地域の指定された229人)

     ①本症を診断する病院のある11都道府県在住有訴者115人中、
                                        → 医師の診断を受けた69人(60.0%)
     ②本症を診断する病院のない府県在住114人中、     → 医師の診断を受けた53人(46.5%)
     ③関東在住有訴者115人中、                 → 診断を受けた有訴者68人(59.1%)
     ④関東以外に居住する有訴者114人中、          → 診断を受けた有訴者54人(47.4%)
      
有訴者114人中、32人(28.1%)が居住地以外の地域の病院で診断を受けた
   
   2 有訴者の特徴と発症原因・被害年数、改善のための工夫とその改善度
     ①本症発症前後のアレルギー症状
      本症発症前
にアレルギー症状のあった有訴者162人(58.2%)
      
本症の発症後にアレルギー症状が出た人53人
     
 ◇アレルギー症状はあるが発症時期は無回答25人

      
本症には免疫系機能の障害が関与している可能性が高いと考えられる
    
 ②発症時の年齢40代が26.2%(女性23.0%・男性3.2%)
               30代が21.6%(女性19.8%・男性1.8%)
               50代が20.9%(女性18.7%・男性2.2%)
     
 中高年の女性が多い原因は明確には不明であるが、性別による感受性の違い、新築・改築した
      家にいる時間の長さなどが関係していると推察される
     ③有訴者の訴える発症原因(278名)
      自宅・職場・近隣建物等の新築・改装、塗装116人
      家庭用の殺虫剤等の使用45人
      ◇職場での合成化学物質・製品への暴露27人
      
排気ガス・大気汚染13人
      自宅・隣・近隣地域の庭・緑地での殺虫剤・除草剤等の散布6人
      医薬品の副作用6人
      洗剤・化粧品類の使用6人
      ◇タバコの煙への暴露4人
      田畑での農薬類の使用3人
      その他13人
      不明・無回答39人
      
発症原因は一つではなく、複数の要因が交錯していると推察される
     
④被害年数(267名)
      被害年数2~4年が多い
      半数は4年より長い
      
高齢の有訴者は被害年数が長い人が多い
     ⑤調査時の年齢と被害年数の関係(264名)
      5年以上の有訴者30~40代 約40%
                 50代      50%
                 60代以上   77.3%
      10年以上の有訴者        31.8%
      
その結果、経済的負担が大きい(転居・高額医療・失職)
 
 ※ ⑥回答した有訴者10%以上が行った改善のための工夫とその改善された程度
      
【製品撤去・居住場所変更】
      
反応する製品を廃棄・撤去した有訴者164人 → 改善した103人
      
引越しした・別の家に長期間滞在した有訴者84人 → 改善した47人
        (
84人中、自宅及び近隣における化学物質が発症原因の59人について)
         
自宅の塗装・新築・改築
         自宅の白あり駆除・防除
         室内での殺虫剤・殺菌剤・防虫剤の使用
         自宅・隣・近隣地域の庭・緑地での殺虫剤・除草剤等の散布
         近隣の工場等からの排気ガス
        (
59人中の改善度は86%が症状が改善)
         改善した33人
         少し改善した18人
         改善しなかった5人
         無回答3人
      
【空気の改善・空気からの摂取削減対策】
      空気清浄機を利用した62人 
      ◇
換気をよくした57人
      マスクをつけた40人(活性炭入りマスク使用21人)
      
炭などの吸着剤を家の中に設置した31人
      【飲食物からの摂取削減対策】
      無農薬・減農薬野菜を食べるようにした91人 → 改善した45人
      ◇
無添加の食品を食べるようにした31人
      浄水器を利用した30人
      
【栄養成分の補給】      
      ◇
ビタミン類・ミネラルを多くとるようにした61人
      【対外への排出の促進】 
      ◇多頻度に風呂・温泉・サウナを利用した70人
 
   3 有訴者全体と対照者との比較
   有訴者  対照者
 現在アレルギー症状  75.2%(209人)  38.8%
 ライフスタイル    運動不足・睡眠不足
 喫煙環境(本人家族も吸わない) 68.3% 55.8%
 有訴者喫煙暦なし  90.0%  
 飲酒状況(飲まないか殆ど飲まない)  86.3%  62.4%
 飲まない  60.0%以上 21.8%

   4 医師による診断の有無と診断地域
    ①本症の診断をする病院不足
     本症、またはその疑いがあると医師から診断された有訴者が約53%で、一方診断を受けていない
     人も多い。関東地方には、本症を診断することで知られている病院・診療所は5カ所あるが、関東
     以外ではまだ数が少ないことが一因と考えられる。
    ②本症の知識の普及と適切な診断・治療のできる医師不足
    ③診断・治療・治療手順
      診断基準を決めて治療
      比較的長い治療を要す
      治療手順1 化学物質からの隔離
            2 身体状況の改善
            3 体内からの毒素物質排出
    ④有訴者は早期に効果的治療を受け、有訴者自身が適切な健康管理を行う

  
 5 化学物質過敏症被害低減のまとめ
    
①有訴者は40代から50代の女性が多く、約半数の有訴者の被害年数は4年より長い。
     ゆえに本証の診断・治療ができる医師の増加や、それらの知識の普及が必要。
    ②本症を自覚した以前は過半数の有訴者は本症について知らなかったことから、本症に関する知
     識が原因で発症した可能性は低い。
    ③有訴者が答えた発症原因は、建物の新築・改築・塗装等が4割。
     その他、家庭用殺虫剤等の使用、職業暴露、大気汚染、農薬類の使用、医薬品の副作用、洗剤・
     化粧品類の使用、タバコの煙の暴露等多種多様。
    ④有訴者は対照者よりアレルギー症状のある人の割合が高いので、アレルギー体質の人は本症
     になる確率が高いと考えられる。
      しかし、アレルギー症状のない有訴者がいること、対照者でもアレルギー症状のある人が4割弱
     いるので、本症はアレルギー症状と区別して扱う必要がある。
    ⑤有訴者は対照者と比較して不適切な生活を送っていない。
     有訴者のライフスタイルが原因で症状が改善していないとはいえない。
    ⑥本症に対応できる病院・診療所がない地域に住んでいる有訴者は、診断を受けていない人が比
     較的多く、本症の診断・治療をする病院・診療所の全国への拡充が望まれる。


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